深呼吸でダイビングの緊張をリセット

初めて体験ダイビングに参加したり、久しぶりにダイビングに参加したりするダイバーの多くは緊張状態にあります。過度の緊張は呼吸に大きな影響を与え、ななかなか潜降できない、浮力調整がうまくいかない、空気がすぐになくなってしまう、疲れるなど様々な問題を引き起こします。また、引き起こされた問題によって緊張はさらに高まり、呼吸の乱れもさらに激しくなります。このような緊張の連鎖は早い段階で断ち切り、通常のリラックスした状態に戻す必要があります。それには「止まって深呼吸して少し休む」ことが効果的なのですが、緊張状態のダイバーはなかなか深呼吸ができません。

 

そこで、今回は私たちがダイビング指導に取り入れている深呼吸の方法をご紹介します。

この方法は確実に深呼吸することができ、呼吸のリズムを整えたり、緊張をほぐしたりするのに大きな効果があります。

ダイバー自身でも簡単にできる方法なので、ぜひ試してみてください。

呼吸が乱れる原因には心理的ストレスによるものと運動過多など肉体的ストレスによるものがあります。この記事では心理的ストレスによる問題を扱っています。

 

※ 肉体的ストレス(泳ぎ過ぎなど)による呼吸の乱れは簡単に原因を取り除くことができます。泳ぐのをやめたり重作業をやめて休憩したりします。浮力調整が苦手で水深を維持するためにキックを続けているようなダイバーには、浮力調整を集中的に練習するPADIスペシャルティコース「ピーク・パフォーマンス・ボイヤンシー (PPB)」への参加をお勧めします。IMCでは呼吸法の練習も取り入れた特別なスペシャルティコースを開催しています。

ラジオ体操第二の深呼吸

今この記事を読んでいる皆さんに「深呼吸してみて」といえば、誰でも簡単に深呼吸できることでしょう。

それは今の皆さんが冷静な状態にあるからです。

 

ところが、水面や水中で過度の緊張状態にあるダイバーには深呼吸がうまくできないことがあるのです。そんな時に確実に深呼吸できる方法があります。ラジオ体操第二の深呼吸をすることです。

 

この深呼吸は上半身全体を使って行うところに価値があります。

体育の時間などで毎回ラジオ体操をやってきたという人ならなおさら効果的です。心理的なストレス下にあってもちゃんと体が反応してくれます。「そんなのやったことがない!」という人でも大丈夫。簡単ですから。

 

正しい深呼吸を2〜3回繰り返すと乱れていた呼吸のリズムを整えることができます。

緊張も断ち切れます。

 

忘れないように手の甲にラジオ体操!とでも書いておきましょう。

ラジオ体操第二の深呼吸(陸上)

ラジオ体操のイラストはかんぽ生命のサイトからお借りしました。

ラジオ体操第二の深呼吸(水中)

できる人は水中で陸上版をフルにやってもらっても良いのですが、水中では後半の腕を後ろに広げるパートを2回〜3回繰り返せば十分です。

水中用深呼吸のポイント

大袈裟に!

水中でこの深呼吸を効果的に行うコツは大袈裟に、思いっきり大きくやることです。

たった2回から3回で劇的に効果があるのですから、他のダイバーの視線など気にしていてはいけません。

きちんと!

もう一つのコツはきちん正しくやることです。

体育の時間のように面倒臭そうに手だけをぶらぶらさせているようではいけません。図に書いてあるように息を吸う時は腕を後ろに広げてきちんと胸を開くようにします。息を吐く時はきちんと腕を前でクロスさせ、頭も下げて胸を縮めるようにします。息を吐く時には力を入れてはいけません。グダーッっと力を抜くようにやります。

止まって!

最後のコツは止まってやることです。

 

  • 地面があるならそこで膝立ちになってやります。
  • 水面で浮いているならBCDにしっかり空気を入れてキックをやめてやります。
  • 近くに潜降ロープや岩があるならそれにつかまってやります。

 

全ての動きを止めてきちんと深呼吸できる体制を整えてください。