絶対失敗しない体験ダイビングでの耳抜きの話

どうして耳抜きが必要なの?

水圧と空気の体積変化

海の水は空気よりはるかに重いので、飛行機の時よりも急激に空気は押し潰される。ダイビングでは飛行機の着陸と同じような圧変化が潜り始めて 2m〜3m で起きている。

耳抜きに関係するのは鼓膜とその内側にある中耳、咽頭へと続く耳管だ。

体のほとんどの部分は液体なので、水圧が高くなっても押し潰されることはありません。でも、空気が入った部分は違います。左の図のように水圧が高くなると押し潰され、水圧が低くなると膨らみます。肺・喉・口の中・中耳と呼ばれる鼓膜の内側の空洞とそこから喉につながる耳管、上顎・目の上などの空洞が空気が入った部分です。

 

飛行機での上昇中や下降中、耳に違和感を感じるのはこの体積の変化が原因です。

 

【上昇中=浮上中】

離陸して上空に行く時は鼓膜の後ろにある中耳の空気は膨らみ、膨らんだ空気は耳管をとおって喉に送られます。その後、膨らんだ空気は呼吸と一緒に体の外に出てしまいます。膨らんだ空気が出た後の中耳は外の圧力とバランスが取れているので耳は痛くも痒くもありません。この変化に気づかない人がほとんどなのではないでしょうか。中には空気の膨らみに気がついて、耳の奥がくすぐったく感じる敏感な人がいるかもしれません。このように体内の空気が膨らむ時、ダイビングでは浮上する時にはほとんど違和感を感じないものです。

 

【下降中=潜降中】

飛行機が降りてくる時は鼓膜の後ろの空気は少しずつ縮んでいきます。

その時に鼓膜が少しずつ内側に引っ張られ、耳に痛さやボーッとしたような感じが起きます。

縮む時は空気を補充すれば元の大きさが維持できるのですが、何もしないとうまく補充ができません。そこで、耳抜きが必要になるというわけです。

 

海の水は空気よりはるかに重いので、飛行機の時よりも急激に空気は押し潰されます。

ダイビングでは飛行機の着陸と同じような圧変化が、潜り始めて 2m〜3m で起きています。

 

【一回では終わらない】

潜航中の耳抜きは一回で済むことはなく、深さが増すごとに何回も行う必要があります。意外かもしれませんが、浅いところほど体積変化が大きくなるめ、耳抜きは頻繁に行うことになります。

上手な耳抜きの方法は?

耳抜きの方法はいくつかありますし、とても面白い方法で耳抜きをする人もいます。

人それぞれに合った方法がありますから、実際にいろいろ試してみて、自分に一番あった方法を見つけるのが良いでしょう。二つを組み合わせてやってみたらうまく行ったということもよくあります。

また、右耳と左耳ではやり方を変える人もいます。抜けやすい耳と抜けにくい耳があるのは普通のことです。

 

鼻を摘んで鼻に息を吹き込む

鼻を摘んでそっと鼻に息を吹き込むようにします。鼻をかむ時と同じですが、鼻をかむときのように片方の鼻だけを閉じるのではなく、摘んで両方の鼻を塞いでしまいます。また鼻をかむときのように強く息を吹き込むのではなく、息はゆっくりと吹き込むようにします。

 

唾を飲み込む、飲み込むような動作をする

こくっと唾を飲み込むことで耳抜きができてしまう人もたくさんいます。実際に飲み込まなくても、喉で飲み込む時と同じような動きができればOKです。

 

あくびの真似をする

本当のあくびはできませんが、あくびの時のような動作をすることで耳抜きができる人もいます。

 

顎を左右に動かす

顎を左右に動かすことで耳抜きができるという人もいます。

 

マスクを顔に押し付けてフンっと鼻から息を出す

鼻を摘んで鼻に息を吹き込む方法に似ていますが、マスクを顔に押し付けるだけで鼻はつまみませんから、鼻つまみよりは少しソフトな方法だと言えます。マスクのスカートはゴムでできており、フンっとやったときの余分な空気はマスクのスカートから押し出されてしまいますが、これが意外とよく抜けます。

筆者の経験。私はプールで一日中ダイビングを教えていると体が冷え切り、夕方になると耳抜きがとても難しくなってしまいます。そして、耳抜きの全ての方法に失敗したときにはこの方法を使います。(最初からこれでもいいけど)

 

耳の下をマッサージする。頭を傾け、抜けにくい耳を水面側にしてから耳抜きする

耳の下の少し窪んだところを優しくマッサージしてあげたり、首を傾けて抜けにくい側の耳を上にしてもう一度耳抜きをしてみると耳抜きができるというダイバーもいます。

 

意外と効く。複合技

今までの方法を混ぜたような方法、例えば鼻を摘みながら唾を飲み込むなどの複合技も耳抜きには効果があります。

耳抜きの準備をする

どのダイバーも耳抜きの調子が良い日と悪い日があるものです。耳抜きがしにくい日にはそれなりの理由があるようです。

 

  1. 寝不足
  2. 風邪気味
  3. 前日の飲み過ぎ
  4. 緊張感

 

この4つは耳抜きの天敵です。

耳抜きがうまくいくように、健康な普通の生活でダイビング日を迎えてください。それが最も良い耳抜きの準備となります。

 

緊張感だけ身体とは関係ないような気がしますが、緊張感は大きな原因の一つです。

海に入ったらすぐに潜降することはやめて、潜降ロープなどにつかまって呼吸を整え、少しでもリラックスするようにします。フィンキックをやめて体の力を抜き、BCDの浮力に体を預けて腕を回したりすれば緊張感は解れます。筋肉の緊張も解れます。それからゆっくりと潜降を始めれば耳抜きもダイビングもうまくいきます。

耳抜きの便利グッズ

Otovent

オトヴェント

自宅などで耳抜きの練習をするための製品です。

docsproplugs

ドックスプロプラグ

ダイビングで耳栓を使ってはいけませんが、この耳栓は使えます。耳栓の中心に小さな穴が開けられており、この穴を通して徐々に圧力が加わるように設計されています。耳サイズに合わせて選ぶことになっています。私は効果ありでした。

耳抜きのまとめ

体調を整えてダイビング に臨み、知っている幾つかの方法で耳抜きを行えば、ほとんどの人は耳抜きで困ることはありません。

それでも心配だという人は耳抜きグッズを使ってみるのも良いかもしれません。

 

さらに心配だという人は耳鼻咽喉科で相談してみてください。

通気という簡単な治療を受けたり、処方箋を出してくれるかもしれません。