Happy Diving! フルフェイスマスク

フルフェイスマスク とは?

フルフェイスマスク とは顔全体を覆うマスクのことです。スキューバダイビングで使用するフルフェイスマスク は、スカートと呼ばれるマスクの縁が額・こめかみ・頬・顎のラインに密着しています。マスクは5本のベルトでしっかりと頭部に固定されます。フルフェイスマスクにはレギュレーター(呼吸装置)が組み込まれているので、フルフェイスマスク の内側には呼吸できる小さな空間が出来上がっています。

 

フルフェイスマスク の歴史は古く、水中と水面で会話が必要となる作業潜水や、テレビの水中レポートなどで使用されてきました。また、フードなどの装備を追加して超極寒の海やダム、汚染された水域での潜水作業などにも使われています。

 

レジャーダイビングへの普及は遅れています。

遅れている理由は明確ではありませんが、マスクは自分で購入してレギュレーター(呼吸装置)はレンタルで借りるという人や、もともとシュノーケリングやスキンダイビングでマスクとシュノーケルは持っているという人が多いためかもしれません。技術的な側面としては、水中での空気切れへの対応が複雑化するということが関連しているかもしれません。空気切れについては記事後半の「デメリット」の部分で再度触れることにします。

 

しかし、最近ではレジャーダイビング業界でもフルフェイスマスク が持つ多くのメリットが見直され、PADI からはフルフェイスマスク のトレーニングコースが発表されたり、顎や歯の弱いレジャーダイバーの中には個人用装備として購入したりする人たちが登場しています。ダイバーの中には「最初からこのマスクでライセンスコースが受けられたらよかったのに」という感想を述べた人もいます。

フルフェイスマスク のデメリット

顔がフィットしないと使えない

子供のように顔が小さい場合は、フルフェイスマスク と顔がフィットしないことがあります。このような場合はフルフェイスマスク を使用することができません。

 

※ 弊社の体験ダイビングの場合は通常のマスクと別体のレギュレーター(呼吸装置)で対応することになります。


空気切れになった場合の手順が複雑

フルフェイスマスク は顔から外れないように、顔とマスクをしっかりとベルトで固定します。このことがフルフェイスマスク の安全性や快適性を高めているのですが、空気切れになった場合はマスク全体を顔から外す必要あります。これは一般的なレギュレーターを口から外すことよりも複雑な作業になります。そのため、フルフェイスマスク を使用する場合は「十分な空気を携帯すること」「空気の残量をこまめに把握すること」が大変重要になってきます。

 

※ 体験ダイビングの場合はフルフェイスマスク か否かに関わらず、お客様の空気管理はインストラクターの最も重要な業務となっていますので心配はありません。

フルフェイスマスク のメリット

マスクにほとんど水が入らない

フィットしていることが前提ですが、フルフェイスマスク は非常に浸水しにくい構造になっています。また、マスク内に浸水があっても簡単に排水できるように作られています。重要なことは手順通りに装着して、足の立つ深さで手順通りのテストを行ってからダイビングを始めるということです。


レギュレーター(呼吸装置)をくわえなくても良いので、、、

  • レギュレーターが口から外れることがない
  • 顎が疲れない
  • 話すことができる
  • 耳抜きがしやすい
  • 鼻でも呼吸ができる(フィットによっては鼻呼吸しにくいこともあります)

安全性が高い

本来、ダイビングで問題となる怪我や病歴がある人はダイビングできませんが、万一、水中で意識を失ってもレギュレーターが口から外れてしまうということがありません。


寒冷地や汚染水でのダイビングができるなど

体験ダイビングへの導入

伊良部島マリンセンターの母体であるロコダイバーズは25年以上の歴史を持つダイビングスクールです。ロコダイバーズはスクール業務だけでなく、汚染水中の調査やTV水中レポーターの安全管理など、フルフェイスマスク を使った業務に携わってきました。中でもフルフェイスマスク を使ったライセンス取得コースは私たちの認識を大きく変えました。

 

ライセンス取得コースの中には「マスククリア」と呼ばれるスキル(水没したマスクの水を水中で排水するスキル)の習得が含まれているのですが、フルフェイスマスク ではこのスキルの練習が非常に困難でした。練習のためにマスクを顔から引っ張ってわざと隙間を作っても、中の空気が漏れ出すだけでなかなか水が入りません。構造的にフルフェイスマスクに水を入れることはとても難しかったのです。結局このスキルを達成させるために私たちが行ったことは、「マスクを完全に外してから付け直す」という方法でした。さすがに全部外せば水は入りました。フルフェイスマスク は「入れようと思ってもなかなか水が入らない」マスクだったのです。

 

ところで、ロコダイバーズは1,500人以上の新人ダイバーを教育してきました。卒業生に一番嫌いだった練習は何でしたかと聞くと、ほとんどのダイバーが「マスククリア」だと言います。人は鼻や口が水で覆われることが嫌いなのです。

 

この二つのこと、「入れようと思ってもなかなか水が入らないこと」「みんなマスククリアが嫌いだということ」が、体験ダイビングへのフルフェイスマスク 導入の大きなヒントとなりました。インストラクターによるテストを繰り返したのち、このアイデアは2000年代半ばからサイパン支店に導入しました。今は伊良部島マリンセンターがそのノウハウを引き継いでいます。